道医労連 風評被害の窮状訴え 知事宛てに2度目の要請 マスクや防護服も不足

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  • 2020年5月18日
記者会見し、医療・介護現場の窮状を訴えた鈴木委員長(中央)ら=道政記者クラブ

  新型コロナウイルス感染拡大防止の最前線で奮闘する看護師ら医療従事者でつくる「北海道医療労働組合連合会」(道医労連、鈴木緑執行委員長)はこのほど、道の鈴木直道知事宛てに要請書を提出した。記者会見した鈴木委員長は依然としてマスクや防護服などが不足している実態を説明したほか、医療・介護現場で働く従事者を差別する風評被害の拡散といった悲惨な現実も訴え、改善を求めた。

   道への要請書提出は3月に続き2度目。今回は▽衛生材料の医療機関・介護事業所への優先的確保▽医師が必要と判断したPCR検査を制限しない▽医療・介護労働者への風評被害をなくす▽感染専門病棟以外の病棟で感染者を受け入れる際は、人員や陰圧設備、資材、動線などの支援と財政的補償―など9項目を要請した。

   会見した鈴木委員長は「依然としてマスクや手袋、防護服、フェイスガード、消毒液など衛生材料が不足している」と指摘し、「早急に実態を把握して優先的に確保してほしい」と要望。道医労連の直近の調査で、マスクは「21病院のうち、90・5%が『制限あり』」の状況になっていることを指摘。そのうち「1日1枚」が10病院、「2日に1枚」が3病院、「4日に1枚」が1病院で、「可能な限り使い回す」も4病院に上っていることを明らかにした。さらに使い回すエプロンもなくなり「ごみ袋を使っている」という病院もあるという。

   この他、「コロナ病棟だけではなく、医療・介護現場の職員はバッシングや差別化などで傷つく人が増えている」と説明。自身が感染させてしまうのではないかというストレスを感じながら「患者や利用者の心に寄り添いながら感染防止に努め、心も体もヘトヘトになっている」と窮状を訴えた。

   また、発熱した患者が外来診療を断られ続け、「十数件目でようやく受診できたということも、札幌市内で起きている」と指摘。「保健所の電話のかかりにくさや、病院はどこに行ったらすぐ診てもらえるのかという情報提供を、きちんと行政として行ってほしい」と語った。

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