新しい生活様式

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年5月14日

  新規感染者数が限定的になった地域でも再び感染が拡大しないよう新しい生活様式への移行が必要という。新型コロナウイルス対策を議論する政府の専門家会議が示した長期的な予防のための実践例が話題だ。

   「買い物は少人数ですいた時間を選ぶほか、通販や電子決済を利用する」「食事の際は横並びに座る」―。できることから取り組んではいるが「人との間隔はできるだけ2メートル以上、最低1メートルは空ける」が意外と難しい。気付けば話し相手との距離が近くなってしまっている。新聞記者もそうだが、触れ合いが欠かせない介護や保育の現場などでの実践はかなりハードルが高い。

   とはいえ、身体的距離の確保は手洗いやマスク着用と共に予防の大原則。家族や職場の仲間を感染から守るためにも意識しなければならない。石狩管内以外では16日以降、酒を提供する飲食店を含む一部の休業要請、協力要請が解除される。4月7日に7都府県に発令された緊急事態宣言が全国に拡大されてから16日で1カ月。長丁場の自粛生活に皆疲れているが、解き放たれるように不要不急の札幌との行き来を増やすなど無神経な行動は慎みたい。「神経が太いばかりでは何事も駄目。細かい神経と同時にそれをすぐ転換できることが大事」と語ったのは、時代に呼応した生き方をつづった作家の池波正太郎。うまく気分転換しながらやっていくしかない。(輝)

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