新体操の元ロンドン五輪強化指定選手の渡辺(旧姓池ケ谷)晴香さん(24)=苫小牧市在住=が新型コロナウイルス対策として、白老町と苫小牧市の体操教室に所属する子どもを対象にインターネットのオンラインで指導を行っている。感染防止策の公共施設休館で教室が開けないため、自宅でもレッスンが受けられるようにした。学校の臨時休校で家に閉じこもる子どもたちの運動不足も心配される中で、渡辺さんは「オンラインのメリットを生かしていければ」としている。
渡辺さんは白老町の総合体育館や、苫小牧市のアブロス沼ノ端スポーツセンターと豊川コミセンで、幼児・小中学生を対象にした体操教室で指導に当たっており、計200人が受講している。新型コロナウイルスの感染拡大で公共施設が臨時休館となり、教室が開けない状況が続くため、4月下旬からオンライン会議アプリの「Zoom(ズーム)」を活用した体操指導を行っている。
オンライン教室には、白老町と苫小牧市の小学生ら約50人が参加。このうち白老では小学1~5年生の8人が毎週金曜日、学年別や新体操クラスなど3クラスに分かれ、1回30分のレッスンを受講。画像と音声の会議システム機能を使い、ストレッチ運動などに汗を流している。
渡辺さんは「自宅にいながら指導を受けられるのがオンラインの利点。取りあえず5月いっぱい続けるが、その後、引き続き実施するかどうかは新型コロナの状況を見ながら判断したい」と言う。
新体操を学ぶ本州方面の子どもたちからもインターネットを活用した指導の要請を受け、レッスンを行っており、今後も新型コロナの情勢が見通せない中で「体操、運動の分野でも、どこにいても学べるオンラインの可能性を広げたい」と意気込む。
渡辺さんは2010年の全日本ジュニア新体操選手権や11年の全日本ユースチャンピオンシップで総合優勝を飾るなど、新体操の有力選手として活躍。現在、体操クラブの「セレーノ」代表を務め、白老や苫小牧などで子どもの指導に取り組んでいる。