道は北海道版避難所運営マニュアルを改正し、各市町村に通知した。2016年7月に示したマニュアルに、北海道胆振東部地震検証委員会からの提言と厳冬期における避難所運営訓練の成果、新型コロナウイルスなどの感染症対策を新たに盛り込んだ。
感染症対策のポイントは▽物資の備蓄▽避難者自らが持参することが望ましいものはマスク、アルコール消毒液、体温計▽避難所の開設▽避難者などの健康管理▽避難所の衛生管理▽発症時などの対応―を明記。
備蓄すべき物資として、ウエットティッシュや使い捨て手袋、嘔吐(おうと)処理用具などを挙げているほか、避難所はホテルも活用し可能な限り多く開設するとしている。避難所では、保健師の巡回を想定。十分な換気の実施や発症時の専用スペースの確保も盛り込んだ。
胆振東部地震検証委員会からの提言を受けて盛り込んだポイントは▽避難者台帳の速やかな作成▽車中泊の避難者への対応▽避難者の健康面に配慮した食事の提供▽福祉避難所の設置―など。高齢者や妊産婦、外国人、性的マイノリティーなど多様なニーズに配慮するように求めている。
厳冬期には、電気毛布や冬用寝袋の備蓄のほか、ポータブルストーブ使用時の換気などが必要になる。
各自治体は道の考え方を参考に、従来のマニュアルを地域事情に合わせて見直していく。道総務部危機対策局は「災害はいつ起こるか分からないが、いつ起きてもいいように万全を尽くす必要がある。新型コロナウイルスを踏まえた対応も、事前にできることをやっていただきたい」と呼び掛けている。