北洋銀行と北海道銀行は12日、2020年3月期決算を発表した。純利益は北洋銀が前期比38・9%減の83億円で4期連続の減益、道銀が12・9%減の95億円で2期ぶりの減益となった。いずれも新型コロナウイルスの感染拡大を受けた市況の悪化で、保有有価証券の売却損などが発生したことが主因となった。
北洋銀は、売上高に相当する経常収益が0・2%減の1087億円。本業のもうけを示す実質業務純益は、国債の売却益や計画を上回る経費削減で45%増の211億円で、2期連続の増益となった。ただ、新型コロナの影響による有価証券等関係損益で39億円の損失を計上し、純利益を押し下げた。
記者会見で安田光春頭取は「今後の地域銀行を取り巻く環境は新型コロナの拡大による経済の低迷などでこれまで以上に厳しくなる」とし、「今は企業に資金提供ができているが、早く経済活動も再開できるようにしたい。それまで企業には資金を最大限提供したい」と述べた。
道銀は、経常収益が0・7%減の749億円となったが、国債など債権の売却益がそれらをカバーし、実質業務純益は20・8%増の203億円を確保した。しかし、感染拡大による貸し倒れに備える与信費用は増え、株式等損益も20億円の赤字となった。