新型コロナウイルス感染拡大防止に係る政府の「緊急事態宣言」により一部を除く全国の小中学校、高校で臨時休校が続いている中、厚真町の小中学校で児童生徒を複数回に分けて登校させる「分散登校」が始まった。児童生徒の生活習慣の見直しや家庭学習について指導したほか、中学校では個別の面談も。学校の本格再開に備えて少しずつだが、準備を進めている。
41人が通う厚南中学校(石田憲一校長)は11日に分散登校を実施。午前中は1、2年生、午後1時からは3年生がマスク姿で登校した。生徒たちは登校してすぐに健康観察を行い、体育館内に前後左右2メートル間隔で並べられた座席に着いて、起床・就寝、学習時間の設定など自宅での過ごし方や教科ごとの指導、アドバイスに耳を傾けた。その後「3密」を避け、プライバシーを配慮した上で個人面談に移り、教職員が休校中の健康状態や学習の進み具合、生活状況について一人一人聞き取りを行った。
生徒にとっては約3週間ぶりの登校。3年生の西森夢菜さん(14)は「久しぶりに学校に来て、楽しかった」と笑顔を見せた。休校期間中は1日2~3時間、机に向かう時間を設け、友達とは無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使って連絡を取り合っていたという。「ストレスはそんなになかったけれど、友達と会えないのは寂しい」と振り返り、学習面では不安もある様子。「普段通りの生活に戻り、いつも通り過ごしたい」と切に願う。
また、内山修慈さん(14)は自宅などでランニングやトレーニングをしているが、中体連の地区大会も中止となる可能性が高く、「秋の大会や高校に行ってからのためにやるしかない」と気持ちを切り替えている様子。久しぶりの登校で「みんなと話ができてうれしい」と喜び、「勉強やスポーツで後れを取っていた分を埋められるように頑張りたい」と前を向いた。
町教育委員会によると、小学校2校は8日に分散登校を実施し、中央小では14日、上厚真小では15日にそれぞれ2回目の分散登校を予定。厚真中学校は15日に行う。18日以降の実施についても検討しており、国や北海道の措置を踏まえて判断するという。