新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が広がる中、苫小牧市では、家庭ごみの排出量が増えている。3月の排出量は、前年同月比約1割のプラスで、4月以降も増加傾向が見られる。大型連休中は自宅で片付けに励む市民も多く、市沼ノ端クリーンセンター(沼ノ端)へのごみの直接持ち込みが目立った。
市ゼロごみ推進課によると、2019年度のごみの排出量(速報値)は、前年度比240トン減の5万6493トン。事業系ごみが683トン減の2万2153トンだった一方、家庭ごみは443トン増の3万4340トンとなった。
家庭ごみを月別に見ると、19年4、5、8、10、12、20年2、3月は前年同月の排出量を上回ったが、前年同月からの増加率は2月までは1~5%程度。道民に外出自粛を促すため、鈴木直道知事が2月末に道独自の緊急事態宣言を出した影響か、3月は10・6%増えた。
生ごみを含む燃やせるごみやペットボトル、食品トレイなどのプラスチックごみが目立ち、担当者は「不要不急の外出自粛が要請され、自宅にいる時間が増えたことが影響している」と指摘。休業要請で仕事が休みになるなどして家庭で過ごす市民も増え、「片付けに励んだり、日曜大工に取り組む人が少なくない。4月以降もごみの量は増えている」と言う。
大型連休後半がスタートした2日午後。ごみの直接搬入を受け付ける、沼ノ端クリーンセンターの計量所前には長い車列ができていた。列に並んでいた同市ウトナイ南の会社員男性(36)は「今年の連休は旅行も難しいので、きょうは一日中、物置の掃除をしていた。あすも家の片付けをする予定」と語った。
同センターへのごみの直接搬入には、資源ごみ以外だと10キロ当たり140円の搬入料金が掛かるが3月以降、不要品を捨てに訪れる市民らで混雑する光景がたびたび広がっている。「例年より直接搬入も増えている印象」と担当者。新型コロナの感染リスクを低減するため計量所の職員はフェースシールドを付け、トレイ上で料金を受け取るなどの対策を講じている。
計量所はごみ収集車も使用。一般車両で混雑すると業務に支障が出るため、同課は「処分を急ぐ必要のないごみの持ち込みは、現状ではできる限り控えてほしい」と呼び掛けている。