東京商工リサーチ北海道支社は、4月の道内企業倒産状況を発表した。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、倒産件数、負債総額とも前年同月に比べ大幅に増加。新型コロナ関連倒産も9件発生した。
倒産件数は前年同月比56・3%(9件)増の25件と、4月としては6年ぶりに25件以上となった。負債総額も95・4%(16億3400万円)増の33億4600万円とほぼ倍増した。
9件の新型コロナ関連倒産は、コロッケなど食品製造、すし・かっぽう店、温泉ホテル、レストラン、食品スーパー、不動産売買・民泊施設、飲食店、靴・衣料品販売、木材卸、建築工事など業種はさまざま。所在地も札幌市のほか、苫小牧市、江別市、滝川市、網走市、釧路管内弟子屈町など各地域で発生している。
4月の負債額は大型倒産(10億円以上)はなく、5000万円未満が9件で最多。これに1億~5億円未満が8件で続いた。原因別では、「販売不振」が21件と全体の8割強を占めた。
4月の企業倒産に伴う従業員の被害者総数は125人。1月からの累計では438人となった。
同支社は「北海道では新型コロナウイルス関連の累計倒産件数が4月末時点で11件となり、東京の26件に続いて全国で2番目に多くなっている」と説明。これまでインバウンド(訪日外国人)需要に支えられていた道内企業について、「インバウンドの消失だけではなく、道内外からの旅行客も激減し、飲食店、宿泊施設などを含め観光関連産業は大打撃を受けている」としたほか、外出自粛で消費意欲も低下し、「全ての業種に影響は波及している」と指摘。緊急事態宣言が5月31日まで延長され、「借り入れをしても返済のめどが立たない中小・零細企業や経営意欲を喪失した経営者の増加など経営破綻が今後さらに増える」と予想している。