胆振東部3町イベント軒並み中止 新型コロナ 阻む復興

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  • 2020年5月7日
中止が決まった安平町のうまかまつり。昨年も2万人ほどの来場があった

  新型コロナウイルス感染拡大により、2018年9月の胆振東部地震で大きな被害を受けた厚真、安平、むかわの3町では5月以降組んでいたイベントが軒並み中止、延期となった。すでに夏の行事にも影響が及んでおり、依然状況の好転が見られないことから代わる行事も難しい。震災復興への足かせとなっており、関係者の苦悩が続きそうだ。

   厚真町では6月20、21日に予定していた町内最大規模の伝統行事「第48回あつま田舎まつり」について、運営実行委員会による書面臨時総会で中止を決定。実行委の担当者によると、「事態収束のめどが見通せないことから延期ではなく、中止という形にした」と苦渋の決断に踏み切った。

   安平町では7月4、5日で準備を進めていた「第12回あびら夏!うまかまつり」の中止を決めた。不特定多数の来場があることから「健康と安全を考慮した結果、やむを得ずイベント開催を中止せざるを得ない」と結論を出した。主催する同まつり実行委員会事務局によると、早来と追分でそれぞれ行われていた祭りを統合して09年に始まった、例年2万人ほどの来場を呼び込む町内のビッグイベント。中止したのは、10年に宮崎県で牛や豚に感染拡大した口蹄(こうてい)疫の影響の時以来2度目。担当者は「代わりになるイベントも考えたが、終息が見通せないので現実的には難しい」と嘆いた。

   このほか30、31日に予定していた「菜の花散歩2020」も中止。個別に菜の花の観光はできるが、町内外から多くの観光客が訪れるとあって大々的なPRはできそうにない。道内外の女性シンガー・ソング・ライターが安平町に集って8月に行われる「ひまわり音楽祭」も早々に実施の見送りを決めた。

   むかわ町では毎年5月に開催している「つつじとアスパラの春まつり」(3、4日)、「マザーズ・フォレスト町民植樹祭」(30日)、「Arimori Cupマラソン大会」(31日)が軒並み中止になった。

  ■5月以降中止、延期が決まったイベント

  【厚真町】

  ・田んぼのオーナー事業田植え(5月24日)=中止も検討

  ・あつま田舎まつり(6月20、21日)

  【安平町】

  ・「ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会」

  第7回公演(5月上旬)=9月19日に延期

  ・菜の花散歩2020(同30、31日)

  ・あびら夏!うまかまつり(7月4、5日)

  ・ひまわり音楽祭(8月下旬)

  【むかわ町】

  ・つつじとアスパラの春まつり(5月3、4日)

  ・マザーズ・フォレスト町民植樹祭(同30日)

  ・Arimori Cupマラソン大会(同31日)

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