恵庭市在住の男性が千歳市内で営む飲食店は新型コロナウイルスの影響で休業しているが、千歳市の経済支援の対象から外れ、途方に暮れている。新型コロナの感染が収まる気配もなく、政府の「緊急事態宣言」は今月31日まで延長が決まり、経営の厳しさは一段と増している。
この男性は長年、千歳市内で飲食店を営む。新型コロナの影響で売り上げが前年同月比20%以上減少した個人事業主は、業種や休業要請の有無にかかわらず一律30万円を給付する千歳市の独自経済支援「市内事業者緊急給付金」を知り、市に問い合わせたところ、「市外在住者は対象外」との説明を受けたという。
男性は「千歳で商売を始めて18年。食材も酒も千歳市内で仕入れ、お客さんも店の大家さんも千歳の関係者なのに」と地元への貢献を強調し不満をあらわにする。「自分のように市外から千歳市に通って商売している人は少なくない」と指摘。「昔から千歳と恵庭は市民が行き来する一つの経済圏。何とかならないものか」と男性は訴える。
千歳市の経済支援策は事業主が市内に居住し、市内で事業を営むことが支給の要件。個人事業主から2000件の申請を想定する。
千歳市の担当者は「迅速な支給が求められる中での制度設計だった」と説明しつつ、「市内で商売をされている市外居住者の実態は把握できない」と話す。「今回は難しいが、今後、検討する必要がある」との考えを示した。
恵庭市の新型コロナに対応した独自経済対策「小規模事業者営業緊急支援金」は、売り上げが前年同月に比べ10%以上減少している小規模事業者に一律3万円を支給する。支援の要件は、恵庭市内で事業を営んでいれば、事業主の居住地は問わない。300件の申請を想定しているが、この男性の場合は恵庭市内の支援からも除外されるという。