苫小牧市 コロナ対策で178億円 補正予算を専決処分

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  • 2020年5月2日

  苫小牧市は1日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う、国民一律10万円給付などの緊急対策費として、178億2860万円を追加する2020年度一般会計補正予算を専決処分した。6日に期限を迎える緊急事態宣言が1カ月程度延長される見通しとなり、岩倉博文市長は国や道の動向を見極めながら、6月の市議会定例会に追加支援の補正予算案を提出する検討も進めている。

   市は1日、市議会代表者会議(非公開)を開き、各会派に今回の専決処分実施について説明し、了解を得た。財源は大半が国の補助金などだが、市は財政調整基金から4000万円を取り崩す。「これだけ高額の専決処分は異例」(財政課)という。

   内訳は、国民1人につき10万円を支給する特別定額給付金の事業費が173億1950万円。基準日の4月27日時点で住民基本台帳に載っている全員が対象となる。市内では約17万人。申請書(9日から順次発送)による申し込みは11日から原則、郵送で行う。支給(指定口座への振り込み)は早ければ5月中旬にも始まる見通しだ。申し込みは8月10日まで。

   休業要請や感染予防推進に協力した事業者に一律30万円を支給する休業等支援事業には、1億8242万円を計上した。道の休業要請を受け入れた事業者や酒類提供の時間短縮などをした飲食店の申請先は道で、4月30日から受け付け中。酒類を扱わない飲食店の申請は、苫小牧市が7日から申請書を市のホームページで公表し、受け付ける。いずれも締め切りは7月31日。

   小規模事業者向けパッケージと銘打って、4月1日に始めた市独自の緊急経済対策費は、5000万円の増額補正。当初の予算枠を上回る申し込みがあり、受け付けを一時停止していたが、1日に再開した。店舗改装など設備投資に最大50万円、消費喚起に同10万円を助成する。

   国の子育て世帯臨時特別給付金支給事業費は、2億2486万円。0歳から中学生までの子どもがいる児童手当の受給世帯が対象で、児童1人につき1万円を6月10日の児童手当と合わせて支給する。

   傷病手当金事業に286万円を盛った。国民健康保険に加入する被用者で新型コロナに感染した人などが対象。支給額は仕事ができなくなった日数などから算出する。

   緊急事態宣言の期間が延長されれば、地域経済への打撃はさらに深刻化する可能性がある。岩倉市長は、専決処分を報告する6月の市議会定例会で、追加支援の補正予算案提出を検討中。「感染予防対策や経済対策、子どもたちの日々に配慮した施策を展開したい」としている。

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