都市封鎖相当の行動自粛を 「札幌に行かない」道民に強く求める 鈴木知事、秋元市長が緊急メッセージ

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  • 2020年5月1日
共同記者会見で「緊急メッセージ」を発表する鈴木知事(右)と秋元市長=4月30日午後6時40分ごろ、道庁

  札幌市を中心に感染者が急増する新型コロナウイルスの「第2波」が到来している北海道の現状を踏まえ、鈴木直道知事と秋元克広札幌市長は4月30日、道庁で緊急会談した後に共同記者会見を開き、ゴールデンウイーク(GW)の「緊急メッセージ」を発表した。札幌市民には「とにかく家にいる」、道民には「札幌に行かない」ことを求める内容。鈴木知事は「わが国では都市封鎖(ロックダウン)はできない」としながらも、「都市封鎖に相当する行動自粛をお願いしたい」と道民に強く要請した。

   知事と札幌市長は4月12日にも「緊急共同宣言」を発表し、外出自粛を要請。16日には新型コロナ対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言の「特定警戒都道府県」に指定されたものの、感染拡大が終息する兆しは見えない。こうした事態を重く見た緊急メッセージには、北海道市長会(会長・山口幸太郎千歳市長)と北海道町村会(会長・棚野孝夫釧路管内白糠町長)も賛同。4者の連名で出した。

   メッセージでは「日本で最も厳しいとも言える状況。札幌市から全道に感染が広がり、まん延していく恐れがある」と指摘。▽札幌市民の皆さんは、とにかく家にいる▽道民の皆さんは、札幌に行かない▽道内外の皆さんは、都道府県間の行き来はしない―の3点を求めた。

   秋元市長は「医療機関や老人福祉施設でのクラスター(感染集団)があるほか、リンク(経路)不明の患者も増えている」と札幌の窮状を説明。医療提供体制も逼迫(ひっぱく)していることに触れ、札幌市民に「GWは出掛けず、家にいることをお願いしたい」と呼び掛けた。

   鈴木知事は「今までは不要不急の外出や札幌への往来を控えて―という言い方だったが、もうそういう状況ではない」と強調。道市長会や町村会にも協力を得られたとし「GW期間中、179市町村すべてが一丸となって、この都市封鎖相当の行動自粛を徹底してやらないと、感染が全道に拡大してく」と道民に協力を強く要請した。

   この他、「医療機関の皆さまへの緊急メッセージ」も発表。最前線で奮闘する医療従事者に感謝するとともに「道民一丸となって皆さんを支えていく。道民の命を救うべく、最大限の協力をお願いしたい」と訴えた。

  ゴールデンウイーク緊急メッセージ

   札幌市では、緊急事態宣言後も感染の拡大が続いており、日本で最も厳しいとも言える状況にあります。今、取り組みを徹底しなければ、札幌市から全道に感染が広がり、まん延してしまう恐れがあります。そうなれば、皆さんにとって必要な医療が受けられなくなります。

   こうした事態を避けるため、医療従事者の方々は、日夜、懸命に闘っています。札幌市民の皆さん、道民の皆さんが心を一つにして、ゴールデンウイーク中は、「いま、できること」をしてください。

  1.札幌市民の皆さんはとにかく家にいる

  2.道民の皆さんは、札幌に行かない

  3.道内外の皆さんは、都道府県間の行き来はしない

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