手作りのマスクを着けている人が増えた。コラム子も家人が古いランチョンマットで作ったものと市販の不織布マスクを使っている。近所の店の棚には依然マスクはない。家人は気に入ったものを作ろうと張り切っているものの、不完全燃焼のようだ。
インターネットの通販サイトをのぞいた。一時マスクが高額転売され、オークションは異常な高値になって問題になった。政府が転売を禁じたこともあり、近頃は通販サイトに3000円台で出品されている。先日、2000円を切るマスクを見つけ、すぐに購入手続きをした。待てども発送の連絡、遅れる説明のないまま2週間が過ぎて出品業者にキャンセルされた。不親切な通販サイトの返金手続きに閉口しながら、飛び付いて踊らされてしまったと反省している。
そんな折に、近郊に住む友人が「マスクはあるかい」と声を掛けてくれた。知り合いからの大切な頂きものを、わが家で使ってという。胆振東部地震で断水になった時、少しの生活用水を届けたことがあった。「そのことがうれしかった」と言って不織布のマスクを分けてくれた。ウイルス対策のグッズまで頂いた。追い詰められるように、日々の暮らしの中で緊縮していた気持ちが緩む。
思いやりの心に触れると、気持ちは温まる。今後も続く新型コロナウイルスを意識した暮らしに慣れるのに、必要なのは温かい心と改めて教えてもらった。(司)