2025年5月の開院に向けて白老町日の出町で建設が進んでいる白老町立国民健康保険病院の町民向け工事現場見学会が9日、開かれた。町民ら計89人が参加し、エントランスから階段を上って病室や介護医療院となる設備、食堂などを見学。工事の進捗(しんちょく)状況を確認した。
同院と、建設工事に携わるフジタ・久米設計・岩倉建設・岩崎組特定建設工事共同企業体(JV)が、新病院への親しみを町民に持ってもらおうと主催した。2回実施し、町民や同病院利用者のほか、初回は理事者や町議会関係者20人、2回目は日の出連合町内会の28人が加わった。
案内役は、JVの同病院改築作業所所長、髙橋貢さん(54)ら作業員が務めた。参加者は、同病院が高床構造で災害時には1520人を収容できること、1階では津波が来ても院内に水が入らないように頑丈な扉を備えていることを確認。2階では救急車が入って来る正面玄関のスロープの建設状況を目の当たりにした。屋上には物品庫のほか、非常用発電機、貯水槽があり、地下にはオイルタンクなどを整備し、ライフラインの水道や電気が断絶しても「3日間の施設運営が可能」と説明を受けた。
髙橋さんは「普段見られない工事現場を見ていただき、期待感を高めてもらえたら」、視察した大塩英男町長も「町民に病院を身近に感じていただく貴重な機会になった」と述べた。
親子3人で参加した白老小学校1年の小林海乃さん(7)は「きれいな病院になってほしい」と目を輝かせた。また、同病院の存続に向けて22年4月まで活動していた白老町立病院を守る友の会代表の宗像千恵子さん(90)=町石山=は「完成後は医者や職員の充実が課題。安心できる病院づくりにまい進してほしい」と希望。町末広町から参加した片倉久司さん(75)は「移動しやすいスペースを確保していると感じた。非常時の備えも充実すると聞いて安心している」と目を細めた。
工期は来年2月末まで。5月ごろにオープンを予定し、町は開院直前に内覧会を開く考えだ。