駒大苫小牧高校卓球部が、新型コロナウイルス感染拡大による全国選抜大会(3月、千葉県)中止の苦境を乗り越え、さらなる進化を誓っている。感染拡大防止の休校措置のため、現在は活動を再停止したが、道内屈指の強豪は訪れるはずの大一番へ力を蓄えていく。女子の寺西沙莉奈主将(3年)は「夏の道大会ではライバルの札幌大谷に勝ちたい」。男子の清水祥喜主将(同)は「卓球技術はもちろん、あいさつや返事など人としても成長していきたい」とそれぞれ力強く語った。
女子チームは昨年12月の道選抜大会団体で準優勝し、全国切符をつかんでいた。前年度に北九州市で開かれた全国選抜では初の16強入りで名を上げた駒大苫小牧。先輩たちが築いた実績を超えていこうと、この春を迎えた部員たちの士気はいつになく高かった。
今年1月にダブルスを組んだ仲川詩乃(2年)・松野蘭(同)のペアがぴたりとはまり、国民体育大会出場経験を持つ寺西主将の状態も高まっていただけに、全国大会中止の衝撃は大きかった。「上位を目指せる自信があったので、とても残念だった」と寺西主将は振り返る。
この悔しさを活動再開後に目指すジャンプアップのエネルギーにする。夏の全国高校総合体育大会に向け、昨年の道選抜大会で惜敗したライバル札幌大谷の打倒に燃える。「相手はサーブ力があるし、大事な場面の1本がしっかり取れる。一人一人がもっとレベルアップしないといけない」と主将は言う。
チームエース格の仲川は、東京五輪女子卓球日本代表の伊藤美誠(スターツSC)、世界ランキング1位の経験を持つ中国の劉詩●【b23d】らのプレーを参考にしながら技術や試合運びに磨きを掛けている。「方向性が見えてきた。全力で取り組んでいくだけ」と頼もしい。
一方の男子チームは、昨年冬の道選抜大会団体で3位。上位2校に与えられる全国切符こそ逃したが、道のトップを走る北海道科学大高に2―3と惜敗。フルセットにもつれる大接戦を演じた。
雪辱を目指す顔触れの成長をつぶさに見てきた仲川明監督は「力を付けてきた」と手応えを語る。「道大会では大事なところで1本が取れなかった。普段の生活態度など、ちょっとした部分が詰め切れていない」と清水主将は課題を挙げるが、選手としての自覚を互いに高め合うムードを大事にしている。
男女全体で目標に掲げるのは夏の高校総体8強以上。メンバーは逆境をバネにして飛躍を誓う。