千歳も繁華街閑散 不安募らす飲食店関係者 廃業や長期休業決断も 新型コロナ

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  • 2020年4月21日
いつもは週末ににぎわう千歳の繁華街・ギオン通りは閑散

  新型コロナウイルスの感染確認が30人以上に上る千歳市内では、夜営業の飲食店の客足が一段と遠のいている。飲食店は国の緊急事態宣言が終了する5月6日まで休業したり、営業時間を短縮したりしながら対応しているが、一部では廃業や長期休業を決めた店も。広がりを見せる新型コロナウイルス禍に飲食店関係者は頭を痛め、不安を募らせている。

   市内では2月21日に初めて感染者が確認されたが、それでも飲食店はそれほど大きな影響はなかった。今年が開店2年半となる居酒屋の40代店主は「開店からこれまでは順調だった。この2月、3月も常連客やふりのお客さんで忙しかった」という。それが4月に入るころには状況が一変し、「店を開けてもお客が来ない。日持ちしない魚や野菜は廃棄せざるを得ない。赤字をいかに減らすかに注力している」と頭を悩ませる。週1回の定休日に予約のない2日間を休みに加え、何とか店舗を維持している現状。「5月7日以降も状況は変わらないと思う。国や道がどんな対策を講じてくれるのか。元通りになるまでつなぎの仕事を考えなければ」と切実に話す。

   市内では20日までに30人を超える新型コロナの感染者が確認され、二つのクラスター(感染集団)も発生した。スナック経営の60代女性は、最近になって営業時間を2時間短縮し、実質3時間営業を続ける。「常連さんが気に掛けて顔を出してくれる」と言いつつ、「仲間飲みが好きな若いお客さんは寂しく家飲みしており、今後、ネットを利用した宅飲み企画を考えたい」と常連客のつなぎ止めに必死だ。

   飲食店の60代女性経営者は「先週は前半の3日間はゼロ。その後は多い日で6人」と話し、開店しても商売にならないと19日から休業に入った。飲食店の50代女性従業員は「来店ゼロを辛うじて免れているが、周辺の店の明かりが消えると、初めて来店する客が増え、正直不安」と話す。この飲食店はグループ2店とともに21日から休業に入った。

   市内では新型コロナ感染者が確認されて以降、自衛隊や空港関係者が夜の繁華街から姿を消したことも飲食店の経営を直撃している。

   タクシーの男性ドライバーは「会社も稼働する車両を減らしている」と言い、普段は海外の富裕層を送迎する同業のタクシーは見られないが、「今は市内を流している」とコロナ禍に伴う状況の変化を淡々と話した。

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