感染予防

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  • 2020年4月20日

  「この1、2週間が極めて重要な時期だ」。安倍首相が新型コロナウイルス感染症対策で、こう述べたのは2月27日。国民に不要不急の外出自粛と学校の臨時休校を呼び掛けたが、コロナ禍は一向に収まる様相もなく、きのう19日までに感染が確認された人は全国でついに1万人を超えた。道内も400人を突破し、予断を許さない状況が続く。

   改正新型インフルエンザ特別措置法に基づき、今月7日に7都府県に緊急事態宣言を発令、16日にはその対象範囲を全国に拡大した。ウイルスの潜伏期間は5~14日とされ、コロナ収束の方向を見通す上で、大型連休を挟んだ向こう3週間が重要な局面となる。

   今、最も懸念されているのがマスクや防護服など医療機関で使う資機材の不足と感染者爆発による医療崩壊だ。

   感染症対策の最前線に立つ医師や看護師が感染症に倒れるケースが増え、政府はもとより、産業界を挙げての支援が求められる。感染患者を収容する専用病床も一部で不足し、自治体の中には軽症者の自宅療養、宿泊施設療養の準備を進めるなど、のっぴきならない状況だ。

   特効薬がなく、感染原因も分からない「未知のウイルス」。私たちが今できることは不要不急な外出をせず、手を洗い、うがいをすることしかない。自分と大切な人を守り、最前線で働く医療関係者の負担を軽減するために。(教)

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