苫小牧港・東港 目当ては空振りも、アカハラに春実感

  • 釣り
  • 2020年4月16日
婚姻色はまだ出ていない50センチ弱のアカハラ

  北海道ではアイナメをアブラコと呼ぶ。上品な甘みのある白身で、旬の初夏は名の通り案外と脂が乗る。江戸前や京料理の好食材。鮮度が落ちやすいから、釣り上げて野締めしたアブラコは小売り店で手に入らない最上の食材になる。釣り倶楽部投げ担当は昆布締めの刺し身を食べたくて4月中旬の日中、苫小牧港・東港の中央水路で早春のアブラコとカレイを狙った。

   護岸にさお2本をセットし、遊動仕掛けの針にイソメとイカの細短冊を付けて80メートルほど左右に投げ分けた。周囲はカレイ狙いが数組。クロガシラは4月以降、一発大物はあるものの平均的には小型化する。釣り人は3月より減った。

   1時間ほど当たりがなく、餌を替えようとした直後だった。さお先が派手に揺れ、あれよという間にさおは海に引っ張られ、リールが三脚に引っ掛かってかろうじて止まった。慌てて手に取るとさおがガクンガクンと上下する。魚の抵抗は激しい。重量感のある手応えに期待は頂点。砂浜に降り、慎重に糸を巻いた。

   波打ち際に姿を見せたのは、大型のアカハラ(ウグイ)。でっぷりと太っている。興奮は急速にしぼみ、ため息に変わった。50センチに少し満たない特大サイズ。イソメに食い付いた。大人の男の腕のような腹回りに独り苦笑しながら、写真を撮って海に放した。

   その後、魚信はなし。前日夕方から隣でカレイを狙った人は手のひらサイズが3枚。海の季節は着実に進んでいると感じながら、昆布締めに未練を残してさおを畳んだ。

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