春の釣りシーズンが幕を開け、今期は豊漁のクロガシラカレイを中心に道内各地の釣りスポットは好釣果でにぎわっている。そんな4月上旬、釣り倶楽部担当記者は苫小牧港・東港の「苫東コールセンター前」へ足を運んだ。20人ほどの釣り人が通称「フェンス前」を中心に熱心にさおを振っていた。
各人、ニシン狙いのサビキ釣り仕掛けを組んだ置きざおとは別に、8~9フィートのルアーロッドを手にコンパクトサイズのジグやハードルアーをキャストしている。釣り人に尋ねると「沖で何かが跳ねた」と言う。少し早いサクラマスの便りが来たのかもしれない。足元では良型のアメマスも揚がったようだ。ルアーフィッシャーである記者にとっても今後に期待が持てる情報だ。
岩見沢市から毎週訪れているという会社員の澤田和孝さん(69)はこの日、正午すぎに入釣した。カレイ釣りがメインで、市販の遊動式と天秤仕掛けをそれぞれのさおにセットした。餌は下針にエビ粉で締めたイソメ、上針には生イソメを使用している。3時間ほどで良型のクロガシラ1匹と寂しい釣果だったが、「きょうは周りも悪いから、十分です」と笑顔で話してくれた。
この時期、夕方から深夜にかけてカレイの釣果が見込めるようで、「これからが本番かな」と夕焼け色に染まり始めた沖合に目を移す。「2月中旬から毎週、苫小牧に来ている。今年のカレイは期待できる」と語った澤田さん。「今夜も刺し身にして食べるのが楽しみ」と釣り人の特権を満喫しているようだ。