苫小牧市内のスイミングクラブに所属する堀葵(和光中2年)=アブロス沼ノ端=、水谷くるみ(錦岡小5年)=同日新=が、共に出場予定だった全国JOC春季大会(3月、東京都)中止の悲しみを乗り越えて練習に励んでいる。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、新年度大会日程の見通しも立たないが、夏のビッグイベント再開を信じて、それぞれ意気込む。
「中止はすごくショックだった」と振り返るのは、2年連続でJOC春季大会の出場権をつかんでいた堀。昨夏の全国大会女子11~12歳50メートル平泳ぎで6位入賞を果たした実力者は、前の冬から手で水をかく動作の修正を図ったことで、記録は順調に伸びていた。
本番に向けて「手応えのある仕上がりを見せていた」と大江俊彰コーチも太鼓判を押した矢先の大会中止。気持ちを切り替えるまでに1週間近く要したという。
さらに感染予防の観点で2月下旬からクラブ活動が中止。練習拠点のアブロス沼ノ端スポーツセンターも3月いっぱいまで休館となって、週6回のプール練習がなくなった。自宅周辺での陸上トレーニングや栄養管理も徹底。4月のクラブ再開時には「当たり前のように泳げることがとてもうれしかった」と堀は言う。
感覚を取り戻すには多くの時間と不屈の努力が必要だが、「日々の練習が本番だと思って頑張る」と気を取り直している。
一方の水谷は、今年1月の札幌市内大会女子50メートルバタフライで、10歳区分の全国標準を100分の8秒上回る好泳を見せ、今春のJOCが念願の全国大会初出場になるはずだった。「全国では31秒台を出してB決勝(予選9~16位)に残りたい」との目標は果たせずじまいとなった。
ただ、本人は至って冷静だ。「少しショックだったけど、夏の楽しみが増えた」と言う。すぐさま今夏はあると信じるJOC大会に狙いを定め、2月下旬からのクラブ活動休止中も自主トレーニングを欠かさなかった。
夏のJOC大会前に誕生日を迎え、年齢の区分が一つ上がって11歳になる。出場のため設定される標準記録も当然短くなるが「体も一回り大きくなった印象。キックと手のかきのバランスが合っていけば、速さは向上する」と今丈朗コーチは期待している。
水谷は「夏のJOCでA決勝(予選1~8位)に行けるようにしたい」とさらに高い目標を掲げ、泳力向上に励む構えだ。