千歳市教育委員会は10日、市内の小中学校全26校に通う児童生徒の保護者に佐々木智教育長名で「新型コロナウイルス感染者の発生に伴う児童生徒の出席停止等の考え方について」とする文書を発行した。
市内の小中学校は6日から学校活動を再開しているが、9日に市内のグループホームで新型コロナウイルスの集団感染が発生。登校に不安を抱く児童生徒の保護者から学校や市教委に問い合わせが相次いでいるという。
文書では、コロナウイルス感染症に関する文科省や道教委の基準に基づき、学校長が「出席停止」(学校保健安全法第19条)要請するケースを明示している。
出席停止は(1)児童生徒の感染が判明した場合(2)児童生徒が濃厚接触者として特定された場合(3)同居の家族が濃厚接触者と特定された場合(4)児童生徒に発熱等の風邪の症状が見られる場合(5)感染への不安等により欠席したいとの申し出があった場合―としている。
児童生徒等に感染者や濃厚接触者が判明した場合は「必要な措置を講じる」と明言。「同居の家族が医療従事者の場合など、感染者が発生した施設に勤務していたこと等のみをもって一律に出席停止とするものではない」とし、「これらの方を差別したり、中傷することは厳に慎むべき」と風評やいじめ、偏見などを生じかねない一部保護者の過剰反応を戒めている。児童生徒や同居家族の感染が判明した場合、学校への報告も求めている。
文書について市教委は「学校現場の混乱や保護者の不安に対し、国や道の見解を整理し周知した」としている。