緊急事態宣言の発令が決まった7日の新千歳空港。本州方面に向かう人や本道に到着した人からは、感染予防策を再認識したり、今後の感染拡大を不安視したりする声が聞かれた。
就職活動のため地元の名古屋市に帰省する帯広市の大学4年生、新美ひよりさん(21)は「(愛知県は対象地域外だが)人と会うのは最低限にとどめようと改めて思った」と表情を硬くした。企業の就職説明会も延期になり、「ウェブ面接の予定があるが、体験したことがないので不安。いつ内定が出るか」と就職活動への影響を懸念した。
札幌市の会社員、渡邊一真さん(46)は仕事のため奈良県に1週間滞在する予定。「手洗いとうがいをしっかりして、必要な情報を仕入れて過ごしたい」と気を引き締めた。奈良は対象地域ではないが「関西空港から電車で行くので、車内での感染が気になる」と話した。
一方、空港に到着した滋賀県内に住む大学3年生の女性(21)は、授業開始が5月の連休後に延期となったため、千歳市の実家に一時帰省。「友人も外出を控えていて、4月の予定は全部なくなった。不安だが、大学が再開するまでに落ち着いてほしい」と願った。宣言については「危機感が感じられていいと思うが、強制力がないので(状況に)あまり変わりはないのでは」と受け止める。
横浜市の実家から札幌市内の高校の授業再開のため戻った高校3年生の男性(17)は「実家では外出を控えていた。宣言はなんだか怖い。北海道に来てほっとした」と心境を吐露。出張のため来道した関東圏に住む40代の会社員男性は「北海道は少し落ち着いているようなので安心だが、収束時期が読めないのが不安。仕事を終えたらまた(関東に)戻らないといけない」と表情を曇らせた。