スケートボードの冨川蒼太(17)=苫小牧西高3年、HOTBOWL所属=は、プロスケーターとして世界を股に掛ける活躍を見せている。今夏には渡米し、自らのスキルを集約する映像作品の撮影に臨む。大手スポーツ用具メーカーとも契約するプロとして「将来は世界のトップ選手と滑れるようになりたい」と目標を語る。
冨川は苫小牧出身で、小学2年のころにスノーボードを始め、夏にできる「横乗り」の競技として翌年にスケートボードを始めた。今では「スケボー一本」に絞り、国内外で技を披露。傾斜したり湾曲が付いたりしているコースを滑りながら、途中で繰り出す空中技やへりを使った技の難度を競う「トランジション」と呼ばれるジャンルを得意としている。
本格的にプロとして歩み始めたのは2018年ごろ。スケーターとしての実力が認められ、世界的メーカーのアディダスとの契約が実現した。そのほかのスケートボード関連メーカー複数社がスポンサーとなっている。
16年からは毎年夏に渡米し、滑っている様子を3分ほどの映像に収めた「フルパート」の撮影を行ってきた。初めて本場・米国に渡った当時に受けた”衝撃”を振り返り、「体格差はもちろん、スキルの高さは段違いだった」と語る。日本とのレベルの違いに驚きを隠せなかった。
これが刺激ともなり、出場してきた大会で好成績を上げながら高い実力を示してきた。18年に茨城県で開かれたプロ選手が参加するアドバンスカップ(日本スケートボード協会主催)で準優勝。昨年11月に米国フロリダ州タンパで開かれた世界規模の大会でも5位入賞を果たし、賞金を宙にばらまくパフォーマンスも披露して観客を沸かせた。
冨川を指導したこともある苫小牧市有明町のサーフショップ「ブレイズ」の西村千秋代表は「スケートボードを始めて1、2年で他の子より伸び方が早かった」と回顧し、「今の実力は努力に裏打ちされたもの。世界的に有名なスケーターになってほしい」と期待をかける。
広い世界に目を見開き、スケートボーダーとしての高みを目指す冨川。「技のレパートリーを増やすことと成功確率を高めることが目の前の目標。実力をさらに上げて、世界で注目されるような知名度を獲得できるように頑張っていきたい」と目を輝かせる。