苫小牧周辺の平物が好調だ。沖では浮きソウハチが絶好調で、いい時は3桁のクーラー釣りをする人が続出。船釣りファンは数釣りの醍醐味(だいごみ)を味わえるシーズンに入った。
3月下旬、苫小牧港・西港の遊漁船かつえい丸(田代健二船長)に親子で乗り込んだ苫小牧市内の会社経営、氏家能典さん(55)と医療関係職員の健悟さん(32)はソウハチ釣りの常連。例年、何度も同船で沖釣りを楽しんでいて、今季はこの日がソウハチの初日だった。
午前5時半に西港漁港区を出て30分ほどでポイントに到着。水深は65メートル。「今季最も近場の釣り場」(田代船長)で魚の反応があり、仕掛けを下ろすと「最初から入れ食い状態」(能典さん)。ものの1、2分でサビキ仕掛けの針数8~10本の全てにソウハチが付くほどの魚影の濃さ。時間とともに棚は変わるものの、愛用の魚群探知機を使って適宜、棚を取って対応した。午前10時には能典さんは平均20~35センチを250匹釣り上げてクーラーを満杯にし、大漁の満足感を船中全員と共有した。
濃い魚影の時は餌は不要という。手返しの速さで釣果に差が出る。船釣りが得意の能典さんは電動リールと魚探を駆使して効率良く釣るのが持ち味だ。
大漁のソウハチは「大方知り合いに配った」そう。手元に残ったのは40枚。「しっかり干したソウハチをあぶって食べると最高。わが家の分がなくなればまた沖に出ます」と楽しそうに笑った。
この日、他にはホッケやスケトウダラ、サクラマスがわずかに上がったという。船釣りファンはソウハチの勢いが続くことを期待している。