恵庭市が、市内中島松に建設していた「恵庭市焼却施設」が完成し、1日から本格稼働した。市内島松沢の旧焼却施設がダイオキシン類濃度基準を満たすことが困難となり、2002年12月に休止して以来18年ぶりの新施設稼働となる。
施設は、中島松の下水終末処理場周辺の農地2・2ヘクタールを購入し、全体の敷地面積が2・8ヘクタール。16年9月に着工し、昨年10月に火入れ式を行い、試験稼働をへて今年3月16日に引き渡しを受けた。
焼却棟は鉄骨造り地下1階地上4階建て延べ4204平方メートル。1階が搬入スペースと事務所、2階がオペレーションルームと事務所、3階が休憩室など。総事業費は約51億円。
連続運転式の焼却炉は2炉で1日の処理能力は計56トン。状況に応じ2炉を同時運転または交互運転できる。24時間・365日(点検時を除く)稼働する。家庭系ごみ、プラスチックなどの産業廃棄物(20品目)、事業系ごみを合わせ計画処理量は年間1万4964トン。
焼却時発生する余熱は場内の電力や給湯・暖房、ロードヒーティング、隣接する生ごみし尿処理場のほか、蒸気は下水終末処理場や汚泥乾燥施設に供給し、消化槽の発酵促進や乾燥に利用する。
市では、旧焼却施設の休止以来、可燃ごみは盤尻最終処分場に埋め立てており、最終処分場の延命化と環境負荷低減のため、新焼却施設の建設は喫緊の課題だった。原田裕市長は1日午前に行われた落成式で、「地域の方々に理解いただき、供用開始を迎えることができた。市民の皆さんに足を運んでいただき、循環型廃棄処理への理解を深めていただきたい」と期待を込めた。