終息を待つ

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年3月31日

  この数日、新型コロナウイルスに今まで以上の危機感を覚え、爆発的な感染拡大が日本にも迫っていると感じることが続いた。

   一つは、コメディアンの志村けんさんが、肺炎と診断されてわずか1週間で亡くなったこと。もう一つは、感染症の専門家らによる政府の諮問委員会が、東京都などは緊急事態宣言を出した方がよいという認識を示したこと。そして、米国の医師らが、医療現場は感染者の増加で受け入れ能力を超えそうな危機的状況だと世界に訴えたこと。

   ウイルスに国境はなく、感染者はどこにどれだけいるか分からなくなった。ただ、発症初期の患者には味やにおいを感じられなくなる症状が出ることがあり、健康な若者でも重症化したり、熱やせきの症状のない人でも感染していた例があることが分かってきた。治療薬の開発や効果的な感染予防策の発見につながる情報は、少しずつだが確実に集積されている。

   私たちにできることは、大切な命を見えないものに奪われないよう一人一人が感染の予防に努め、終息への大きな力にしていくことだ。不要不急の外出自粛の判断は難しいが、自分は元気と自覚できれば感染への不安も和らぐので、自宅で体調管理などに努めたい。ちなみに記者は、終息したらしたいお楽しみをつくって乗り切るつもりだ。新年度に本紙で「感染拡大終息」という明るい報道ができる日を待ちながら。(林)

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