苫小牧市内の空手道場、優至会塚本道場と新極真会苫小牧道場の門下生が第4回北海道フルコンタクト空手道選手権大会(2月、札幌市)一般初級重量級決勝で対決した。塚本道場の長澤典人(37)と新極真会の須藤豊(33)が向き合い、激闘の末に長澤が自身初の栄冠を飾った。
同重量級は6人によるトーナメント戦で行われた。長澤は1回戦相手の欠場で不戦勝し、準決勝は最後までペース配分を考えて体力を温存した上で勝利した。
決勝の相手は新極真会の須藤。「セコンドの声がよく聞こえてきて、気持ちが落ち着いていた。手数を多く出せた」と手応えを語った。
入門して約1年がたった。長男で沼ノ端小2年の煌明(こうめい、8)と日々稽古に励んでいる。「息子に稽古の姿勢を示すつもりで頑張ってきたことが成果につながってうれしい」と長澤。「次は親子そろって優勝することが目標」とはにかんだ。塚本道場の塚本鉄兵代表は「昨年から大会に粘り強く出場し続けていて、その経験が優勝につながった」とたたえた。
また、山本悠志(17)は一般上級中量級で3位。準決勝で「相手にペースをつかまれてしまった」。接近戦が得意だというが、理想の試合はできなかった。3位決定戦では、積極的に前に出て相手を圧倒。回転胴回し蹴りも繰り出し、判定勝ちを物にした。
山本悠は「体力と筋力をアップさせるトレーニングに取り組んでいきたい。次こそ優勝」と力を込めた。
このほか、山本拓磨(厚真高3年)は一般上級重量級4位。「猛者との対戦がいい経験になった」と振り返った。延長戦にもつれた3位決定戦はベテラン選手相手にテクニックで競り負けた。「延長戦で体力的な厳しさがあった。耐えられる体づくりをしっかりやっていきたい」と語った。
塚本代表は「(山本悠と山本拓は)10代の選手として頑張ってくれた。これからも次世代を担う選手として活躍してほしい」と期待を込めた。
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新極真会の須藤は、入門して1年弱ながら、一般初級重量級で初めて準優勝にまで上った。決勝の舞台で栄冠を争った長澤は一度敗れている因縁の相手だった。
1分半の試合のうち、序盤は互角以上の試合を展開。下段の回し蹴りが的確に決まり、長澤を押す場面もあったが、残り約30秒でスタミナが切れた。須藤は「自分より体が大きい相手に距離を詰め過ぎずに蹴りを繰り出すことができた。スタミナ不足が課題なので体力トレーニングにも力を入れていきたい」と語った。
決勝への道のりは厳しかった。仕事が終わってから夜の自主練習を続ける日々。稽古場には2カ月に1回程度しか行けなかった。柳原義文道場長は「自主トレーニングを頑張ってきた成果が出た。本人が思っているのと同じくらいうれしい」とたたえた。