24日午前のNHKラジオ第1放送「子ども科学電話相談」は、昆虫や鳥、恐竜、鉄道がテーマ。小学生や就学前の子どもたちが、身の回りで見たり、図鑑を見て感じたりした疑問を、専門家の先生たちにぶつけていた。
電車のパンタグラフの形は、なぜ違うのか。なぜ渡り鳥は編隊を組むのか、先頭を飛ぶ鳥の役割は―。新型コロナウイルスの感染対策で学校が休みになった子どもたちが疑問や質問を次々と寄せ、先生たちが知恵をしぼっていた。説明を聞いて「ふーん」と感心し、「えーっ」と驚く声を聞きながらラジオに頬ずりをしたくなる。
ある男子小学生の質問は「ダニはどうして(存在して)いるのですか?」だった。以下はやりとりの要旨。「どうして?」「いなくていい。役に立たない」「ゴキブリも、そう言われるよね。でも、ごみの分解してるよね」「うん」「人間が、生き物たちの命を役に立つ、立たないと、決め付けていいのかな」。考えさせられた。
「重度障害者を殺害すれば不幸が減る」。そう考えて神奈川県相模原市の知的障害者施設を襲い、障害を持つ19人を殺した元職員の青年(30)に16日、横浜地裁で死刑判決が言い渡された。疑問は、残されたままだ。27日には弁護側が判決を不服として控訴した。
人はきっと、いろいろな人と出会って思いを話し、共感されたり反論されたりしながら成長する。青年の不幸の大きさを思う。(水)