ホッキ

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  • 2020年3月24日

  苫小牧市のホッキ貝は、言わずと知れた特産品。19年連続で全国一の水揚げ量を誇っており、「苫小牧産ほっき貝」の名前で地域ブランドに登録されている。漁業者が大ぶりの貝のみを厳選して漁獲し、市場の取引価格は産地別でもトップクラス。多くは飲食店に流通している。

   そんな高級品の印象が強く、店頭でホッキを見掛けても、購入は敬遠してきた。何度も記事を書いていて、お叱りを受けるかもしれないが、殻の外し方もよく知らない。むき身を買ったとして、料理が上手にできる保証もない。ホッキ自体は刺し身も、バター焼きも、カレーも大好物だが、当方にとってハードルが高い食材だった。

   ところがこのほど、スーパーでホッキ貝を、初めて買った。しかも殻付き。普段よりも2割引きの値札に釣られた。

   さばくのがやはり面倒だったので、料理アプリのレシピを見ながら酒蒸しに。鍋にホッキを丸ごと入れ、水と日本酒をどぼどぼと注ぎ、5分ほど火に掛けた。あっという間にごちそうができ、病みつきになりそうだ。

   新型コロナウイルスの感染拡大が幅広い分野に影響を与えている。くだんのホッキも外出自粛に伴い、飲食店の客足が落ち込み、取引価格が一時暴落した。異例の事態続きで「コロナ疲れ」も懸念される中、タウリンなど栄養たっぷりの苫小牧産ホッキで、少しでも元気を回復したい。(金)

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