氷点下マークの多かった気象予報は、少しずつプラス気温になる日が増えてきた。通勤途中に時折出合う小鳥たちも、ぺちゃくちゃと陽気におしゃべり。朝の日差しもほんのり柔らかくなり、ようやく訪れた春の兆しが心地良い。いつもなら心躍らせながら新年度へと忙しく準備しているはずだが、今年は新型コロナウイルスの流行で異例の事態が続く。
道民にとって3度目となる外出自粛の週末が明けた。まちに出ると、出歩く人の姿は少なく地域社会への影響を実感する。観光や企業だけでなくダメージが心配なのは1次産業だ。長い時間をかけて今の生産環境を構築してきたが、消費の落ち込みで収益が減少。営農を継続する資金不足などが懸念され、長期的な不安要素が大きい。
苦境にあえぐ農業者を支援しようと、農業団体などが消費拡大の取り組みを進めている。JA全国女性組織協議会と全国農協青年組織協議会は11日から、牛肉や牛乳などの消費を呼び掛ける「食べる 飲む 飾る 産地応援プロジェクト」をスタート。13日からはJAグループが「花を贈って応援~みんなのよい花プロジェクト」も始めている。卒業や入学、お祝い、日ごろお世話になっている人に花を贈るもので、わが家は自宅用に購入して活動を応援している。先日からサクラの枝を飾っているが、美しいピンクの花がいくつも咲いた。閉塞感が漂う中で、一足早い春に少し心が和んだ。(隆)