変化

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年3月14日

  新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない中で、市民と医療機関の間に微妙な変化が現れている気がする。通院に慎重な人が増えた。そんな変化だ。

   「もしやとまさかの世界」をさまよった知人の話。行きつけの医院へ出掛けた時、つらそうにせきをする婦人がいた。「もしや」と緊張した。先生や看護師が慌ただしく動き、別の通路からレントゲン室へ連れて行ったようだ。「院内感染。まさか」という不安がよぎった。その後苫小牧市内や胆振管内で感染者が確認されたとの発表はなかったから、感染者ではなかったのだが、恐ろしかった。

   以下は自分の体験。頑健が取り柄の山育ち。病院に縁はなかったのに暴飲暴食を続けて、今は人並み以上の不具合を抱える身。新型肺炎は持病のある人や高齢者が重症化しやすいので注意―。まさに自分のことだ。定期の通院日が迫ったものの、混み合う待合室と待ち時間が怖い。残る薬を数えて先延ばし法を考えたが、難しい。

   訪れた院内には、新型肺炎関連の張り紙。看護師さんはマスクに加え手袋まで着けていた。しかし患者さんは驚くほど少なく、待合室は空いていた。院内感染の可能性を考え、医療機関の利用に慎重な人が増えているらしい。自分ももっと考えなければ。「感染拡大の中心は中国からヨーロッパに」と世界保健機関(WHO)。欧州からは医療崩壊という言葉も聞こえる。冷静に行動したい。(水)

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