先週に続き、春のカレイ投げ釣りシーズン本格化に備える特集の続編。投げ担当の倶楽部員が、投げ釣り初心者向けに仕掛けや実釣のポイントをまとめた。
仕掛け
釣具店に並ぶ仕掛けを見れば、カレイ釣りの人気の高さが分かる。価格は300円台が中心。メーカーは実釣試験を経て発売している。好奇心旺盛なカレイにアピールしようと水中でキラキラ、ふわふわ、ゆらゆらする飾りなどのマテリアル、ビーズなどが付いたものが目立つ。タイプも基本的な胴突き、遊動、遠投用、コマイやアブラコと兼用など、釣りの目的に合った物を選べる。
仕掛けは自分で作る楽しさもある。コスト、楽しみの両面から投げ部員はもっぱら自作。遠投用2本針と胴付き1本針が1軍だ。マテリアルはいろいろ試し、今は夜光などのビーズを組み合わせたシンプル仕掛けにしている。遠投用はナイロン12号の太い幹糸を重りの先にも延ばして天秤代わりにし、サルカンで下針を結んでいる。
海岸は気にならないが、苫小牧港や室蘭港の釣りはヒトデが煩わしい。上げ潮時は特にうるさい。胴突き仕掛けは、重りとその上の針の間隔を長めに取ることでヒトデ対策になる、泥っぽい海底だと餌がカレイの視界に入りやすい、とは部員の持論だ。
実釣
春、クロガシラは産卵のために浅場に移動する。産卵前と産卵後に荒食いする。ニシンの群来があるとクロガシラが釣れるのは知られている。
苫小牧港・西港では毎年50センチ超が数匹上がる。平均は30~40センチ。良型になれば肉厚で重量感が増す。糸がふける魚信を確かめて合わると、巻き上げる時に感じる下方に差し込む強い抵抗感と重みはクロガシラ釣りのだいご味だ。
遠投は投げ釣りのロマン。上手な人だと150メートル以上先まで餌を付けた仕掛けを飛ばす。けれど侮れないのは手前を探るちょい投げ。苫小牧港は漁港区と船だまりを除いて、岸壁から約50メートル先がかけ上がりになる。岸壁際と、航路となる水路中央の水深(14~12メートル)が違うためだ。魚はかけ上がりにも付く。砂浜でも波打ち際のすぐ後ろがやはりかけ上がりになる。投げ損なったビギナーに大物が上がるのにもちゃんと理がある。
安全
苫小牧港は北海道随一の物流港湾。埠頭(ふとう)は荷役作業の大型車両が激しく行き交う。危険とトラブルを避けるため、作業の支障になる場所の駐車や釣りは控えたい。全国では小物狙いの釣りデッキを建設し、埠頭から釣り人を排除した例もある。ウオーターフロントは、産業基盤と同時に市民や釣り人も楽しめる水際であることが望ましい。ライフジャケットの着用とごみの持ち帰りも意識したい。