高校スピードスケートは各種大会が先月までに終了し、生徒たちはリンクを離れてトレーニング期間に移行する。駒大苫小牧スピードスケート部の田畑真紀監督がインタビューに応え、指導2年目の振り返りと来季をにらんだチーム強化に向けての思いを語った。
―部の今季を全般的に振り返ってもらうと。
1年目より多少は心に余裕を持って選手指導に取り組めたと思う。生徒たちもそれぞれ、技術的なことや練習に対する意識なども少しずつ改善が見られたと思う。体力的な部分は積み重ねてきたものが現れてきている。生徒たちを見て成長を感じている。
―1年生の森野こころや鮫川友希などを中心にインターハイで好成績を残した。
彼らも入ったばかりで何をやれば強くなるか分からない中で、教えたさまざまなことを取り入れてレベルアップを図っていた。下級生が結果を出していくと上級生たちも刺激を受けて競争意識が高まっていく。私から見て、もっと結果につなげてほしい選手がいる。
―オフシーズンの間、選手たちに取り組んでほしいことは。
新型コロナウイルスの影響でまだ全体練習ができない状態。「この期間が次につながる大事な時期」と生徒全員に伝えている。レベルアップは全部選手次第。基礎体力を上げるためのトレーニングもできると思うし、この3月は、それぞれ目的意識を持って取り組んでほしい。
―現役選手としても大会出場してきたが自己評価は。
技術的なこともできていると思っていることができなかったなど厳しい部分もあった。結果にはつながらなかったものの、自分の中で兆しが見えた。選手の指導や仕事で練習にかけられる時間が少ない中でも、状態が悪いなりには滑られたと思う。体の使い方など技術的なことを確立できれば。
―来季の抱負を。
チームとして、よりよいものを取り入れるために、たくさんのことに挑戦していきたい。私も指導していく中で学んだことを生かすつもり。生徒たちにはトレーニングやレースにどんどん前向きに取り組んでもらい、楽しみながらパフォーマンスを高めていってほしい。就任したときに比べれば良い方向に進んできてはいるが、向上心を持って挑んでほしい。
田畑 真紀(たばた・まき)
むかわ町出身。1974年11月9日生まれ。93年駒大苫小牧高校卒業後は富士急、ダイチなどに所属。94年ノルウェー開催のリレハンメル五輪に初出場。けがのため出場辞退した98年長野大会を除き、2002年、06、10、14年各五輪に出場。10年バンクーバー大会では団体追い抜き銀メダル。全日本スピードスケート選手権で6連覇を含む通算8回総合優勝、全日本距離別選手権では1500メートル9連覇。18年4月からは母校スピードスケート部監督に就任し、同部は今年1月の高校総体(帯広市)で女子総合5位。選手としても現役を続けている。