「競馬の祭典」と称されるビッグイベント「JBC(ジェイビーシー)競走」が4日、日高町の門別競馬場と佐賀県鳥栖市にある佐賀競馬場で開催された。二つの競馬場が合同開催する年に1度の祭典で、中央(JRA)と地方競馬の馬が、カテゴリー別にダート戦4競走でナンバーワンを競う。北と南で開催された今年も大勢のファンに注目され、馬券の発売額は両競馬場合わせて約72億円に上った。
4日の門別競馬場は雨交じりの天候だったが、午前10時の開門前からファンと駐車場待ちする車の行列ができた。正午発走の第1レースから午後6時50分発走の最終まで全12競走が行われ、入場人員は3028人を数えた。JBC初開催となった佐賀競馬場も盛況で、日の出の早朝6時半には列ができ1万2386人が詰め掛けた。
2場合同開催とは、JBC競走を2場に振り分けて行うこと。今年はJBCクラシック(2000メートル)、JBCスプリント(1400メートル)、JBCレディスクラシック(1860メートル)の3競走が佐賀が舞台となり、2歳馬のJBC2歳優駿(1800メートル)は門別で行われた。前記3競走が各年持ち回りに対して、JBC2歳優駿は2021年に施行されてから門別で固定されている。
JBCは「ジャパンブリーダーズカップ」の略称で、米国のブリーダーズカップ(BC)競走を範に2001年に創設され、第1回開催は東京・大井競馬場で実施された。その後は全国の競馬場持ち回りで開催され、その間にカテゴリー別の3競走が加わった。米国のBCが主に2日間で実施されるのに対してJBCは同日に行われている。もう一つの特徴が、生産者が提唱し創設したこと。創設当時、競馬の売り上げは厳しく、特に地方競馬は廃止する競馬場もあった。人気売り上げを回復すべく、生産者が団結しジャパンブリーダーズカップ協会(吉田勝己会長)として創設に動いた。今では「JBCデー」として認知されている。
今年4競走の優勝馬は日高町生まれ2頭、新冠町生まれ1頭、浦河町生まれ1頭。JRA5頭、地方馬5頭の計10頭で争われた2歳優駿は、ソルジャーフィルド(5番人気)がJRA馬上位の人気を覆し、ホッカイドウ競馬勢として4年ぶりに優勝した。生産した日高町グッドラック・ファームの畑大介さんは表彰式後も「震えが止まりません。まさか勝てるとは思っていませんでした」と感激の面持ちだった。
(フリーライター・大滝貴由樹)