新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの人が集まる苫小牧市内の各種スポーツ施設が対応に追われている。各指定管理者はアルコール消毒液の配置を増やし、従業員のマスク着用のほか、自主事業も一定期間中止とした。休館の措置は今のところないが、市民に安全な施設利用をしてもらうための取り組みに余念がない。
苫小牧市総合体育館、アブロス日新温水プール、アブロス沼ノ端スポーツセンター(シンコースポーツ北海道と共同事業体)など市内5カ所を指定管理する都市総合開発(本社苫小牧市柏木町)は市内で感染者が確認された23日、従業員全員にウイルス対応マニュアルを配布した。行政機関や利用団体との情報共有、職員の手洗い、うがいの徹底などを指導し、備蓄してきたマスク300枚ほどを各施設に振り分け、受け付け業務時に着用するようにした。
市総合体育館では、利用者と職員間の飛沫(ひまつ)感染を防ごうと、大きく広がっていた受付の窓口に透明なアクリル板を取り付けて開口部を狭くした。
26日から年代別の水泳教室、大人向けフィットネス教室など各施設の自主事業を3月15日まで中止することも決定。「閉館するのでは」といった問い合わせも多数あったが、一般開放は現時点で継続する。「皆さんに不安やストレスなく利用してもらえるよう、努めていきたい」と阿部秀之部長は話す。
白鳥王子、ダイナックス沼ノ端の両アイスアリーナを指定管理する苫小牧市体育協会は、スケートエンジョイスクール、TOMAKOMAIチャレンジスポーツクラブなど26日から3月末までに予定していた主催イベントの中止に踏み切った。
小中学校の臨時休校に伴いリンク使用が軒並みキャンセルされる事態にも陥っている。設置するアルコール消毒液の数を増やし、職員のマスク着用などでウイルス対策を講じる。
4月から順次開場する緑ケ丘公園庭球場、サッカー場といった屋外競技施設を指定管理している緑豊建設(苫小牧市)は、動向を注視しつつ、これから各競技団体と調整していく。矢野孝一副統括は「大会自体の開催の可否については、まだ見通せない部分が多い」と話した。