再生

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年2月20日

 はっきりしたのは、裁判では何も変わらないということだ。苫小牧駅前の旧エガオビルをめぐり、土地の一部を所有する大東開発が、ビル所有者の市に対し、土地を不法占有しているとして賃料相当分の支払いを求めた訴訟で、札幌地裁室蘭支部は同社の訴えを全面的に認めた。市はすぐさま控訴する方針を発表した。

 市が同社に土地の無償譲渡を求めたのは、複雑な所有権を市に集約することで再開発を進め、「ビルの廃虚化を避けるため」だと主張する。同社も、裁判を起こしたのは賃料をもらうのが目的ではなく、市に「揺さぶりを掛け」、ビルを解体させたいと思ったからだという。双方とも早期の解体を目指しているはずなのに、訴訟のためにビルの荒廃は進む一方だ。

 そもそも訴えた本人が賃料が目的ではないと明言している訴訟で、賃料に対する裁判所の判断が示されたからといって事態が解決するはずもない。仮に札幌高裁で市が勝訴したとしても、大東開発に賃料を支払う必要はないというだけで、裁判所が同社に土地の無償譲渡を命じるわけではない。

 市よりも同社よりも、何より駅前の再生を願っているのは多くの市民だ。「ビルを壊して駅前を自由に使えるようにしたらいい」と話すのは19歳学生。ずるずると時間と費用を裁判に費やすのではなく、双方の誠実な話し合いで解決策を見いだすことが、未来を担う若い世代への責任だと思う。(吉)

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