宿泊や観光で千歳を訪れるインバウンド(訪日外国人旅行者)の増加を受け、公立千歳科学技術大の学生たちが路線バスの乗り方を伝える動画とパンフレットを作成した。それぞれ観光ウェブサイトで閲覧や新千歳空港で受け取れるようにして、快適なバス移動と利用促進につなげたい考えだ。
市の要請を受け、交通政策で協力する小林大二准教授(人間工学)の研究室が取り組んだ。制作者は計8人。情報システム工学科3年生で坂崎広登さん(21)、田中丈晴さん(21)、情野元樹さん(21)、久美屋憲太さん(22)、神力麗音さん(20)=以上動画担当=、足利真実さん(21)、石崎美愛さん(20)、中川知歩さん(21)=以上パンフレット担当=の顔触れ。
動画は乗車方法と新千歳空港のバス乗り場を解説する2種類。学生が企画、撮影、編集を行い、英語字幕を挿入した。
2分ほどの「乗車方法編」では実際の車両で乗車から降車まで一連の流れを説明。車両前方ではなく中央から乗り込むことや事前に小銭を用意することなどを盛り込んだ。「空港編」では国際線、国内線両ターミナルビルの到着口からバス停留所までの経路を約5分30秒の映像に収めた。目印の案内看板やエスカレーター前はクローズアップして強調する演出とした。
二つの動画は2月中旬に千歳、恵庭、北広島3市の観光ウェブサイト「ロード・トリップ北海道」に掲載。チームを率いた坂崎さんは「字幕の英語表現や撮影法など見て分かりやすい内容にした。路線バスが訪日客にもっと利用されれば」と期待を込める。
また、A3判六つ折りのパンフレットは前年度に現在の4年生がデザインしたパンフレットの内容を更新。英語、中国語簡体字、ハングルの3言語で表記。今年は前年と反対に、中心部の宿泊施設13カ所から空港への行き方をテーマとした。主要停留所間の所要時間や運賃を記し、地図部分には停留所の周辺写真を添えた。今回撮影した動画のURLも併記する。
手掛けた学生たちは空港で訪日客に複数の試作品を見せてアンケートを行い、改善を重ねた。完成品100部は国際線ビル総合案内と国内線ビルの北海道中央バス窓口で配布中。足利さんは「地図に目印を付けて、見やすくなったと思う。こういうパンフレットがあると知ってもらえれば」と話す。
指導した小林准教授は「外国人客の求める情報を把握してデザインに反映できたと思う」と評価する。「作って終わりではなく改善を続けることが大切」と語り、今後も学生と内容更新に取り組んでいく。