LEPで野菜室内栽培 千歳市内の レストランで使用 科技大・青木准教授 研究進める

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  • 2020年1月28日
LEPの光で育ったバジルを収穫する青木准教授(右)と程島さん(右から2人目)

 公立千歳科学技術大学の青木広宙准教授(46)=画像工学=の研究室が太陽に近い性質のある「高輝度照明プラズマ(LEP)」を活用した野菜の室内栽培の研究を進めている。蛍光灯や発光ダイオード(LED)といった人工光と比べて成長が早いのが特長。収穫した野菜は今月から千歳市内のレストランで使われている。LEPを使用した室内での野菜栽培の研究は国内でも珍しく、寒冷地での野菜の室内栽培に活用できる技術として実用化への期待が高まる。

 青木准教授は2016年からプラズマ発光を活用した「LEP」による植物栽培の効果を研究。寒冷地を念頭に、冬季の野菜の室内栽培環境についてデータを分析してきた。

 研究室内ではLEP、蛍光灯、LEDの3種類の光源を用いてバジルを栽培。バジルは丈が上に伸び、葉が広がる性質があるため成長の度合いが分かりやすく、寒さに弱い点も研究目的に沿うという。同じ日に種まきを行い、室温、肥料や水の量などを同じ環境にして、水耕栽培で生育の状態を比較している。

 従来の室内栽培はLEDや蛍光灯を使うのが一般的。LEPは太陽光に近い特性があるため、自然に近い状態での栽培が可能になる。光合成を促進する赤外光、植物に負荷を掛けてたくましく育てる効果のある紫外光を含むため、他の人工光に比べて成長が早い―といった結果が表れた。青木准教授は「温度さえしっかり管理すれば、果菜類、根菜類も育てられます」と強調する。

 同時に三次元画像計測技術を使い、作物の葉の面積や果実の体積などを計測して成長度合いを評価する研究も展開する。人の目よりも作物の生育状況を正確に評価できるため、収穫ロボットに技術を応用できるという。

 「研究室産」のバジルは、千歳市東郊2のパスタ専門店「パスタランテ」のソースに使われている。青木准教授の同僚が同店の常連で、これまで廃棄していたバジルの無償提供を今月上旬から開始した。

 同店は夏季にバジルを自家栽培してきたが、冬季は確保に苦心していた。店主の程島実喜也さん(52)は三つの光源で育てた葉を食べて比較し、「LEDはえぐみがあり、蛍光灯は味が薄い。LEPで育てたバジルはマイルドで苦手な人でも食べられる。3種類の中で一番いい」と太鼓判。味にもLEPの効果が表れた。妻の亜実さん(52)も「色もよく新鮮で、香りがいいです」と言い、品質の良さを実感する。

 研究室ではイタリアンパセリやミント、大葉などもLEPで栽培を開始。青木准教授は「過酷な状況でも野菜を育てる技術は極地や宇宙での室内栽培にも役立つ」と語り、科技大発の新技術活用の広がりを目指している。

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