日本郵便の石狩地区郵便局長会はこのほど、解体した千歳の支笏湖郵便局局舎の木材で作った木製ベンチ3脚を自然公園財団支笏湖支部に寄贈した。地元で約半世紀にわたって親しまれた建物からの「恩返し」として木材を再利用した。
ベンチは長さ2メートルほどで千歳市内の建築会社、日建企画に製作を依頼。2脚は25日に開業した「王子軽便鉄道ミュージアム・山線湖畔驛(えき)」、残る1脚は支笏湖ビジターセンター前にそれぞれ設置した。
同局は2018年の胆振東部地震で玄関に損傷を受け、局舎の使用を停止。同局長会が地域での建材再利用にベンチ製作を発案し、19年10月から取り壊した後に梁(はり)の木材を保存。日建企画が傷の修復や組み立て、塗装に協力した。
支笏湖局の平田博幸局長は「前の局舎が忘れられずに、地域や観光の方にずっと使ってもらいたい」と願いを込め、受贈した同支部の木林正彦所長は「長年親しんだ建物の一部が残ってうれしい。有効に活用したい」と謝辞を述べた。