苫小牧市内の空手道場、優至会塚本道場の伊勢天翔(青翔中1年)は、12日に愛知県で開かれた第7回全日本ジュニアチャンピオンシップの中学1年生男子重量で優勝し、同道場初の全日本制覇を果たした。塚本悠剛(拓進小4年)ら2人も同大会などで入賞した。塚本鉄兵代表は「悲願の全日本優勝を成し遂げてくれた。道場初代チャンピオンとして道場を引っ張っていってほしい」と晴れやかな表情で語った。
伊勢は32人のトーナメントで競った。1回戦は、身長差はなかったが体重が約15キロ上回る田村俊汰(総極真友心会)と対戦。相手の迫力に押され、下がってしまい、序盤から中盤にかけてやや劣勢に立たされた。試合は延長戦に突入。伊勢は持ち前の機動力を生かして攻勢に打って出て、回り込んでの突きや膝蹴りを連続で浴びせて勝利した。
その後は順調に勝ち上がり、決勝では田村以上に体格差がある木下龍星(誠真会館秋津道場)と戦った。延長にもつれた激戦を制して栄冠をつかんだ伊勢は「下がらないで突きを当てることができた」と自信をのぞかせた。塚本代表も「スピードは段違いだった。稽古で鍛えた体の強さもしっかり結果につながった」と語った。
小学4年生男子軽量では塚本が3位に入った。2回戦で対戦した冨田魁夢(成心會)は昨年負けた相手で、今回見事にリベンジした。胸への突きが決まったと言い、塚本代表は「パンチ力がトップ選手に通用していた」と評価した。
準決勝では相手に胴回し蹴りを決められ、惜しくも決勝進出を逃した。ただ3位決定戦では蹴り技を受けないよう防御を意識しながら試合を優位に進めた。塚本は「ガードをもっと意識してやっていきたい。次の全日本は優勝できるように稽古を頑張りたい」とさらなる飛躍を誓った。
また同時開催されていた第18回オープントーナメント極真サムライ杯秋の陣空手道選手権大会では壮年女子に出場した下山田静代(46)が準優勝に輝いた。初戦は「緊張で体ががちがちだった」と言うが、積極的に攻めて相手を圧倒した。決勝はリラックスして試合に臨めた。自分から前に出て試合を展開したが、手数の差などが影響し、惜しくも判定負けを喫した。
下山田は「強く当てにいこうとすると力んでしまう。普段の練習からリラックスして打てるように意識したい」と課題を挙げた。今年は世界大会出場も控えている。「世界大会では今回の悔しさをぶつけて、入賞を目指して戦いたい」と意気込みを語った。
塚本代表は全日本の結果を受けて「大会前に厳しい稽古をした成果が出た。伊勢は今回の大会で大きく自信が付いたと思う。次は国際大会などさらなる大舞台での活躍に期待したい」と語った。