浦河消防署(浦河町築地)に15日、新たに災害対応特殊救急車「イースト号」が納車された。桜井悦朗さん(82)=同町堺町東3=が昨年、救急車購入資金として町に1950万円を寄付しており、これを元に国の補助金を加え約3200万円で導入した最新機器搭載の高規格救急車で、日高東部消防組合管理者の池田拓町長や消防関係者に披露された。
浦河消防署の救急車両は2台態勢で、年間500回以上出動。2008年から運用の救急車は使用頻度が高く、老朽化が進んでいた。これまで長く測量会社やホテル・不動産などを営んできた桜井さんは80歳を契機に事業の整理を行い、昨年5月に「地域の人たちへの感謝を込めて救急車購入資金を寄付したい」と町に申し出ていた。
新車両は高規格救急車に特化したトヨタの「ハイメディック」の7人乗りで、ひだかトヨタ自動車販売合同会社が納車した。車内には救急援助消防隊設備として、可搬型の人工呼吸器、AED(自動体外式除細動器)、心拍数や血圧、心電図測定装置の数値などを表示するベッドサイドモニターなどを完備。受納式には桜井さんや池田町長、竹中守組合消防長ら関係者約20人が出席。池田町長は「限られた財源の中で事業を進めなければならず、厚意に深く感謝します」とお礼を述べた。桜井さんは「まだまだ元気なので、今後も町に貢献したい」と話していた。