千歳市防災学習交流センター・そなえーるは11、12両日、厳冬期の災害発生を想定した独自のイベント「避難所生活体験」を催した。参加者が館内の多目的ホールで避難所の開設や非常食の調理、施設内での宿泊を擬似的に行い、真冬に大きな災害の発生に備える訓練を繰り広げた。
冬期間の災害発生で停電や断水が発生した―との想定で演習した。避難所は避難者が主体となって設営し、限られた備蓄品や物資を使い工夫して運営することが求められる。「災害に強いまち」を目指し、市民に非常時の生活のすべを身に付けてもらおうと企画。志願した14人が参加した。
そなえーる職員の指導の下、炊飯器が使えない状況での調理として、食事の準備で参加者は雪を鍋に入れてカセットこんろに掛け、ポリ袋の中にペットボトルのお茶を入れて水代わりとして米をたいた。
「停電中」の状況として、会場内の照明を落とし、登山・作業用ヘッドライトの明かりなどを頼りに、備蓄のシチューなどと一緒に食事をした。
参加者は簡易トイレとテントの設営にも取り組んだ。工事現場に配置する囲いとブルーシートで周囲を覆い、人目などを気にせず使用できるようにする配慮の方法が紹介されていた。床に直接寝具を敷かないことで、冷気から体を守れる段ボールベッドも作製して実際に施設内で宿泊した。
桂木の主婦、田原慶子さん(44)は「体験しないと(避難所生活が)分からないと思いました。自分が避難所を開設しなければならないと実感できました」と話していた。