厚真、安平、むかわの3町で12日、成人式が行われた。大人の仲間入りをした新成人らは故郷を思い、胆振東部地震からの復旧復興を力強く支えることを誓った。
厚真町では70人が成人を迎え、総合福祉センターでの式典には30人が出席した。宮坂尚市朗町長は一昨年に発生した震災で被災したことについて触れ、「この悲しい出来事を乗り越えるために皆さんの若い力が必要。厚真町の復旧からその後の復興へできる限りのお力添えを」と期待。町議会の渡部孝樹議長は「古里の復旧復興に関心を持ち続けてもらいたい。人の心の痛みが分かる優しい人であってほしい」と思いを寄せた。
現在札幌で独り暮らしをする大学生の佐々木鈴花さん(20)が答辞を述べ、「住みやすい札幌でもふるさと厚真町にはかなわない。素晴らしい町に生まれたことを誇りに思う」とし、「若者らしく、失敗を恐れず夢と希望を持って立ち向かっていく。厚真町出身者の誇りを胸に生きていきたい」と決意表明した。
むかわ町の新成人は77人で、うち62人が式典に出席。岩渕郁斗さん(20)と宮崎真奈さん(20)が「人との調和と絆を大切にし、成熟していきたい」「明日への可能性を信じ、若い力を遺憾なく発揮する。どのような境遇になっても、古里のさらなる発展に尽力する」と誓いの言葉を述べた。
安平町では135人中、50人が成人式に臨んだ。式典後には餅つきや立食形式のパーティーなどもあり、懐かしい顔触れとの再会を喜んだ。実行委員長を務めた及川洵成さん(20)は「まだ実感はないが、成人式を節目に大人の自覚をしっかりと持ってこれから生きていきたい」と意気込みを語った。
各会場では、中学時代の思い出の写真や恩師らから寄せられた祝福のメッセージが大型スクリーンで放映され、新成人たちは大人としての新たな一歩へ思いを新たにしていた。