北海道開発局は20日、道内最大規模の災害対応訓練「鵡川・沙流川合同総合水防演習」で総指揮者を務めるなど水防技術の向上、普及に尽力したとして、鵡川消防団長の前田嗣夫さん(68)に水防功労者表彰を贈った。賞状と記念品を受け、前田さんは「10年も団長をやらせてもらって、こんなにありがたいことはない」と喜びを語った。
河川の水防活動に関して著しい功績と他の模範として認められる個人、団体に贈られる表彰。前田さんは1975年に鵡川消防団に入団後、班長、部長、分団長を経て2009年に消防団長に就任。今年6月にむかわ町内で行われた「鵡川・沙流川合同総合水防演習」で自身2度目の総指揮者を務め、330人ほどのメンバーを統率した。
セレモニーで室蘭開発建設部の米津仁司部長は「全道を見ても2回総指揮者を務めた人は少ない。訓練当日も非常に風が強い中、前田さんのご尽力により多くの人が集まり、有意義なものになった」と功績をたたえ、来賓の渋谷昌彦副町長は「昨年の胆振東部地震の時も余震が続く中、昼夜を問わず警戒活動を行っていた。地域防災において今後もご活躍を願います」とねぎらいと激励の言葉を述べた。
前田さんは昨年の胆振東部地震などを振り返りながら、「訓練の積み重ねが改めて大事だと感じている。全国的に相次ぐ自然災害に立ち向かう強い消防団でありたい」と今後の決意を述べた。