健康上の理由で退任した白老町の岡村幸男前副町長(62)の後任として今月、新しい副町長に就任した竹田敏雄氏(63)。白老のまちづくりにどう臨むかなど、考えを聞いた。
―就任の抱負を。
「共に生き、共に幸せを創るまち『共生共創』を公約に掲げた戸田安彦町長の3期目を支えたい。多くの町民と対話し、声に耳を傾けながらの町政運営を心掛けたい。どの自治体も同様だが、白老町も人口減少と少子高齢化が急速に進んでいる。いまや町民の半数近くが高齢者となった。人口減による課題もさまざまなところで浮上し、さらに顕在化していくことだろう。人口減を抑制するため、移住・定住の取り組みも必要だ。各方面と相談しながら課題解決へ向き合っていきたい」
―公共施設の老朽化が目に付くが、どう対応するか。
「高度成長期に次々に建設された公共施設の老朽化が進んでいる状態だ。道路や橋なども同様。インフラ施策は最も重要な住民サービスでもあり、更新、長寿命化対策を計画的に実施していくことが必要だ。しかし、すべての施設を更新していくことは財政的にも難しい。危険度や劣化度、将来の人口規模を踏まえ、どの施設を優先して更新、修繕するか、存廃も視野に全体的な計画づくりをしていかなければならず、全庁的に対応していきたい」
―民族共生象徴空間(ウポポイ)をまちづくりにどう生かすか。
「来年4月に開業するウポポイは、白老の活性化を図る上で大きなチャンスだ。来館する観光客に白老を巡ってもらい、滞在時間を延ばしてもらう仕掛けが重要だ。地元の観光・産業やアイヌ文化の振興をはじめ、さまざまな分野への波及効果に大いに期待しており、町としての取り組みも大事になる。白老駅北観光商業ゾーンは観光振興拠点の位置付けにあり、指定管理者となってインフォメーションセンターを運営する白老観光協会のみならず、各団体や事業者と連携を図りながら観光商業ゾーンの機能を発揮させたい。ゾーンの民間活力導入区域への宿泊、物販、飲食の事業者参入を促すことも喫緊の課題であり、対策を考えていきたい」
竹田敏雄(たけだ・としお) 北海道日本大学高校を卒業後、1975年に白老町役場入り。生活環境課長、建設課長などを務めた。副町長として事業部門(建設、上下水道、経済振興、農林水産、企画、アイヌ政策など)を担当する。