政府の経済対策で2019年度国土交通省補正予算案に、白老町で来年4月開業のアイヌ文化復興拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)の集客対策費38億1600万円が計上された。エンターテインメント性のある夜間プログラム制作費や道内外でのPR活動費などで、年間来館者100万人の目標達成を目指す。
ウポポイの営業時間は平日午前9時から午後6時(冬季は午後5時)までだが、土日祝日や夏場は最大午後8時までとなる。このため政府は、来館者が夜間も楽しめるプログラムを導入することにし、アイヌ政策関連予算政府案として経費を取りまとめて13日に閣議決定、国交省補正予算案(北海道開発予算関連)に計上した。
内閣官房アイヌ総合政策室などによると、夜間プログラムの中心はプロジェクションマッピング。ウポポイの建物外壁をスクリーンに、アイヌ文化関連の映像をプロジェクターで投影する。コンピューターグラフィックスを駆使した映像の演出技術で来館者を楽しませるという趣向だ。
ウポポイが開業する来年4月24日の翌日25日が、午後8時まで営業の土曜日となるため、これに合わせて夜間プログラムがスタートする。
また、施設内では、ゴーグルを装着し、アイヌ民族の世界を仮想現実的に体感するVR(バーチャル・リアリティー)装置を導入する。
この他、夜間営業の実施に伴うウポポイ・国立民族共生公園内の照明など施設整備を実施。ウポポイの認知度を向上させるため、インターネットを活用した道内外へのPR活動も展開する。
国は予算案の成立後、集客対策事業に取り掛かり、開業への準備を急ぐ。