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  • ニュース, 夕刊時評
  • 2019年12月14日

 今年も残り半月。氷点下10度以下の寒さの数日後には最高気温10度以上の暖かい日も。温度の乱高下は続くが暦だけはしっかりと進み、正月が近づく。

 この季節になると、半世紀も前の帰省のことを、懐かしく思い出す。飛行機は、まだ裕福な人の乗り物。青函トンネルも新幹線もなく、首都圏と道央部の行き来に片道20時間以上かかった。上野から東北本線に乗り、仙台までが確か6時間。仙台―青森間も6時間。青函連絡船が3時間50分。函館―苫小牧が約4時間。時刻表を何度も開いて時間を確かめ、車窓からの景色を想像していた。なぜ、あんなに帰りたかったのだろう。

 記憶の仕組みなのだろうか。汽車の車体や椅子の色、連絡船の船内の配置は忘れたのに聞こえていた音は覚えている。車輪がレールの継ぎ目をたたく音。連絡船の汽笛、桟橋に続く長いホームに流れていた「蛍(ほたる)の光」。目を閉じると今も聞こえてくる。

 現実に戻れば、自分も子や孫の来訪を待つ立場。スーパーで同世代の忙しそうな買い物姿を見て、せかされる。先日、背中の丸くなった婦人が、体格に比べるとやや大きめの段ボールを、ささげるように高く持ち上げてスーパーから出てきた。歩幅が狭く、足も高くは上がっていない。自転車の荷台に箱をくくりつけて、帰って行った。誰かを歓迎するための買い出しだろうか。つい、想像してしまった。正月がやってくる。(水)

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