千歳市は11日、千歳を舞台にしたアニメ製作のために寄付を呼び掛けてきた「ふるさと納税」が、約5034万円(9日時点の速報値)に達したと発表した。目標を3000万円以上も上回る額。市出身の声優、鈴木愛奈さん(24)が主演のテレビアニメ「邪神ちゃんドロップキック」とコラボした製作で、市長は視聴者に「千歳の魅力を知ってファンになってもらい、一緒に千歳の魅力を発信していきたい」と期待した。
ふるさと納税によるアニメ製作構想は、11月2日に新千歳空港の「ポルトムホール」こけら落としとして開かれたイベントで表明。集まったファン約350人に「皆さんの善意を財源に、ぜひ千歳編のアニメをつくりたい」と呼び掛けていた。
12月2日正午から、インターネット上サイト「ふるさとチョイス」を通じて寄付の受け付けを開始。目標金額を2000万円とし、市のホームページを通じて31日までの寄付を呼び掛けてきた。初日の速報値で565万5000円、開始4日目となる5日には、目標額を超す2634万円に達した。
アニメは、2018年に北海道文化放送(UHB)などで放送され、20年4~6月に続編となる第2期放映が予定されている。当初11話の予定だったが、支笏湖などを舞台にした「千歳編」を加えた12話にする。同じく市出身声優、花井美春さん(21)も新キャラクター「リエール」役として出演し、6月に放映される。
市は、返礼品として3万円の納税者には「千歳編」を収録した非売品のブルーレイを贈る。5万円の納税者には、エンドロール内に名前が入る特典もある。今後も、期限いっぱい納税を受け付ける。余剰金は、市の観光に関する取り組みに充当。観光企画課によると、アニメ関連イベントや音楽、支笏湖の環境保全をテーマにしたイベントを検討しているという。