少年野球の苫小牧選抜は来年2月8、9両日、兵庫県淡路市で開かれる「全日本選抜小学生野球選手権淡路島大会」に北海道代表として出場する。今月8日に札幌コミュニティドーム(つどーむ)で行われた「北海道学童軟式野球都市対抗戦~EZO CITY THE BATTLE2019~」の決勝戦で札幌選抜に勝利して淡路島大会の切符を手にした。苫小牧選抜は全道都市対抗初制覇で全国大会初出場となる。苫小牧旋風を巻き起こそうと意気盛んだ。
11月2日に上川管内東川町などを会場に開幕した都市対抗戦。苫選抜は二つのリーグ戦と中標津選抜との準決勝を制して勝ち進んだ。勝利の要因は徹底した機動力野球とチームの団結力。札幌選抜との決勝でもいかんなく発揮された。
ゲームは二回まで0―0と接戦の様相を呈していた。しかし三回に2死満塁の好機を迎え、熊野瑠威(拓勇ファイターズ)が死球を受けて押し出しの先制。さらに四球を選んで押し出しが続いた後、林拳士朗(美園スラッガーズ)の2点適時打でこの回に一挙4点を奪い試合の主導権を握った。
四回も相手の失策に乗じて二塁に走者を置き、矢吹太寛(沼ノ端スポーツ少年団)、松尾和則(ときわ澄川ライオンズ)、吉田徠杜(日新スポーツ少年団)が適時打を放ち、7―0のコールドで快勝した。
投げては今大会エースとして活躍した矢吹が、抜群のコントロールを武器に要所を抑える投球を見せて4安打3四球、無失点で完封し、最優秀選手賞に輝いた。
またスタンドには苫小牧から保護者や関係者、少年野球団の子どもたちなど1000人以上が詰め掛けた。初の道都市対抗制覇とあって応援席は歓喜にあふれた。選抜チームの関係者も今年こそは―との思いもあり喜びもひとしお。チームを率いる石川将一監督(沼ノ端スポーツ少年団)は「(札幌選抜は)練習試合でもあまり良い結果を残せなかった相手だった。底力のある相手に勝利できたのは選手が頑張ったおかげ。これまでやってきたことをすべてぶつけてきてくれたと思う」とライバルをねじ伏せた選手らをねぎらった。
悲願の全国大会切符を手にした苫小牧選抜。チームの再始動は年明けになる。メンバーの数人はファイターズジュニアなど各種全国大会で北海道選抜メンバーに選ばれており、そこでも実力をいかんなく発揮して力を付け、淡路島の全国大会につなげたい。
石川監督は「勝敗よりもこのメンバーと一日でも長く野球をやっていたいという気持ちが強い。その気持ちや今までやってきたことを生かし、全国制覇できるよう北海道代表として全力で戦う」と力を込めた。