12月の強い冷え込み 18年ぶり支笏湖全面結氷の予感?

  • 支笏湖日記, 特集
  • 2019年12月13日
全面結氷した支笏湖=2001年3月10日(提供)
全面結氷した支笏湖=2001年3月10日(提供)
全面結氷した支笏湖=2001年3月10日(提供)
全面結氷した支笏湖=2001年3月10日(提供)

  毎年12月になると気温の変化が気になり始めます。冬ということもありますが、過去の気象データを見ると支笏湖全面結氷の前触れともいえる強い冷え込みが12月から始まっているからです。

   さまざまな文献や記録に出てくる支笏湖の全面結氷は、最も古い1910(明治43)年から2001(平成13)年までの92年間に9回あります。そのうち公的な記録や写真、複数の談話などで確認できるのは1913(大正2)年、44(昭和19)年、45(同20)年、53(同28)年、83(同58)年、2001(平成13)年の6回。残る1910(明治43)年、14(大正3)年、40(昭和15)年の3回については、まだはっきりしていません。

   全面結氷の要因は低温だけではなく大雪、風が大きく関わっています。

   低温で冷やされた湖の上層水が風(波)によってかき乱されて下層の温かい水と混合し続ければ凍結はしませんが、風がやんで波が収まれば混合が止まり凍結が始まります。大雪も水温低下の大きな要因になります。

   2001年(全面結氷期間2月15日~4月10日)の場合は、00年12月の月平均気温が氷点下3・7度(観測開始以来低い方から同月として8番目)、01年1月は氷点下7・0度(同3番目)、雪は2月1日に降水量で53ミリ(同多い方から2番目)もの降雪がありました。風も千歳市ヒメマスふ化場の観測では2月3日から結氷の始まる11日まで風速1メートル台が続きました。

   「確証はない」とした上での余談ですが、洞爺湖の有珠山噴火との関連を指摘する声があります。有珠山噴火は1910(明治43)年、43~45(昭和18~20)年、77~78(昭和52~53)年、2000(平成12)年。噴火と全面結氷の間に「何かありそう」な気がしませんか…。

  (支笏湖ビジターセンター自然解説員・先田次雄)

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